誰でも音楽が作れる時代
最近は音楽のことをよく呟くんですが、一番大きな理由は発信してないと私が曲を作ってるという事実が不透明になるからです。私は本来は歌うことに全く興味がないタイプの人間ですし、歌手としては全く価値がないでしょう。アイドルと思われる事が多いのは吝かではないですが、こんなにデブで可愛くないアイドルがいてたまるかと自分でツッコミをいれてしまいます。誰が好き好んでこんなアラサー女を神輿に担ぐのかと。
しかしパッと見自分でDAWを弄っていると誰も思わないことも事実でしょう。
よほど音楽好きの変態でない限り、制作についてのマニアックな呟きは興味を持たれないことは私もよくわかっているんですが、アイドルだと思われても困るので自らの音楽制作や、聴いている音楽については今後はきちんと発信していきたいなと考えております。
さて、今更なんですが最近StudioOne3からStudioOne4.5にアップデートしました。本当に今更ですが、今までは3で事足りていたものがなんだか急に物足りなさを感じたんです。
StudioOneとは愛用しているDAW(パソコン上で曲を作るためのソフト)要はピアニストにとってのピアノのようなものです。これがないと曲が作れません。
今はちょうど友人の家で制作合宿的なものをしていて、Twitterにも載せましたが(音質が悪く申し訳ないです)spliceでダウンロードしたサンプルのみで曲を作る試みなど実験的な遊びをしていました。spliceとは月額サンプリングサービスで、月額料金を払うことで膨大なサンプルから好みの音色にアクセスして自作曲に使えるサービスです。安価なのに、サンプリング音楽に付き物の著作権の問題はクリアしているところが画期的とされています。クラブ系のコンポーザーの大半は使っていると思います。
存在は知っていましたが今回改めてガッツリ使用してみようと思い、友人が指定したサンプルを使い制作をしました。
音質が良いものが多く、ほしい音は調べれば大体出てくるので、組み合わせれば誰でもそれっぽい音楽を作ることができます。
はっきり言ってこんな環境が用意されて曲が作れない人はいません。iPhoneにDAWをダウンロードして、適当にサンプルを貼りつけて、可愛い顔の女に適当にゆるいラップを歌わせてYoutubeにアップロードしましょう。これで簡単にアーティストを名乗れるでしょう。
また、StudioOne4の新機能もかなり最先端で、オーディオからコードを解析することも、指定したコードにオーディオを従わせることも可能です。これについては本当に驚きました。今後の制作に大きな影響を及ぼすことでしょう。
オーディオの自動スライスも容易になりましたし、FLStudioのようなシーケンス機能までつき、言葉で書くと専門用語を知らない人にとってはちんぷんかんぷんかもしれませんが、要は極限まで感覚的に曲を作ることができるようになっているということです。
つまりこれからの時代、音楽を作るにあたって必要なものはセンスのみです。
もちろんミキシングやマスタリングについては専門的なスキルが必要ですが、分業でやっているアーティストばかりです。
以上述べた事について、私は危惧もしていないし、嫌な気持ちはありません。むしろ喜ばしい事だなと感じています。私としてもより感覚的に鳴らせるというのは嬉しいですし、コードの解析が容易になったことも、その後ライブ用にコードを起こしたりする作業が格段に楽になりました。
DAWはもはや楽器ですね。これで本当にStudioOneと完璧に連動する演奏用のハードがあればライブがとても楽になるのですが(笑)
というわけでセンスがあれば誰でも音楽家を名乗れる時代になりました。しかしそれに比例して音の金銭的価値は急速に下がっています。特にYoutube隆盛の今は映像作家は引っ張りだこですが、音楽は付加価値をつけないと価値がつきません。CDが飛ぶように売れていた時代こそ異常で、今は正常に戻ってきたというだけなのかもしれません。なぜなら音楽とは元々体験でしか聴けないものだったからです。録音技術が生まれたのは歴史的にみてつい最近のことです。ライブで稼ぐというのはあるべき姿でしょう。
私のような変態音楽オタクには肩身の狭い時代になってしまいました。音楽理論なんかやる意味はありません。センスで作れる時代ですから。よくわかっています。しかしそれでも学ぶ理由は、好きだからです。変態でしょう?
かといって自分が真人間になることは不可能で、この変態性こそ自分のウリです。ビジネスと捉えた時にこんなピーキーな女まあどうしてくれようと思いますよね。私なら困ります。
さて、自分自身売れるかどうかは傍に置いといて、音楽がフリー素材化している現在でどう生きるかは向き合わないといけないことですね。
音楽の市場価値は今後もしばらく下がり続けるでしょう。しかし、投資的な考えで言うと下がるということは上がるということでもあります。私はそのボラティリティに期待しています。というのは、これからの未来で何がどう価値になるかは誰にもわからないことだからです。
などとそれらしいことを申し上げましたが、正直どうなっても気ままに過ごします。市場価値なんてどうでもいいことです。他の仕事して過ごしたっていいんです。だって、楽しくなかったらとっくにこんなこと辞めてますよ。
「この音にこのプラグイン挿してこのつまみ弄ったら超変な音になった〜!きゃっきゃ!」って言いながら死にたいです。
私は自分自身のために音楽をやっているのであって、ファンの方達のために音楽をやっていません。感謝はありますが、恩は作品と生き様で返します。私は好き勝手に生きるので、皆さんも好き勝手に生きてください、と思っています。
そう言語化できるようになってから、無理に刺しに行かなくてもいいのかなーなんて、少し解放された気持ちになりました。というわけで、今後の曲も楽しみにしていてくださいね。
引き続き、よろしくお願いいたします。